
脾について
みなさんこんにちは!おさきまるです。
今日は東洋医学の知識をつける回です。
今日のお題は脾について。
この間は気血津液についてお話ししました。
そこで気血津液全てに関わりのあった臓は、”脾”でした。
そんなとても大切な臓についてお話ししたいと思います。
脾という臓は、運化作用と粛降作用によって飲食物から気血津液をつくり、
それらを各臓に運び栄養する働きがあります。
気の種類に、先天の気と後天の気というものがありましたね。
先天の気とは、父と母からもらった気のことで、腎に蔵されています。
この先天の気は後天の気で常に補充されています。
先天の気が底尽きると人は、
生命活動を維持することが出来なくなり、死に至ります。
後天の気とは、飲食物から脾胃で作られたもののことを指します。
つまり、人間にとって脾の活動がとても重要ということになります。
それでは脾の活動を細かく見てみましょう。
運化作用
脾の運化作用の前に、飲食物は消化吸収してできた気血津液を輸送したり、
その過程で出来た余分な水分を排出するものに分けられます。
胃、小腸、大腸で消化吸収されます。
消化によってできた栄養分は気血津液に化成されて全身に送られます。
余剰水分は肺と腎に送られ汗や尿として排泄されます。
この二つの作用を運化作用と言います。
粛降作用は、脾気が上昇して吸収した清い水穀の精微を頭部や頭は肺など、
上焦に送る作用のことを言います。
この働きは運化作用の働きの一部で、胃の降濁作用と対になって働き、
人の気の流れが正常に働くようにしています。
この二つの作用が脾の作用です。
胃について
胃は脾と表裏関係にあります。
胃の働きは食道を通ってきた飲食物を受け取り、消化して小腸に送ります。
胃から小腸や大腸に移動させる胃気の働きを降濁作用といい、
脾の粛降作用と対になっています。
飲食物の消化、吸収、排泄の手順は、↓
口から取り入れた飲食物は胃に入り消化されます。
消化されたものはドロドロの液状になります。
このドロドロになったものが小腸に運ばれ、清濁分けられ、
水穀の精微と残りカス(糟粕)に分けられます。
水穀の精微は脾の昇清作用によって上昇に運ばれ、気血津液と分かれ、
上焦の心肺の働きによって全身巡ります。
カスは胃の降濁作用で固形物は大便として大腸へ、
余分な液体は小便として下焦にある膀胱に染み出し、
腎の気化作用によって、排出されます。
脾はこれら一連の働きを統括していて、運ぶ働きを運輸作用、
飲食物を変化させて気血津液を生成する働きを化成作用といいます、
これら二つの作用を合わせて、運化作用と言います。
脾が弱ると出てくる症状
脾の作用がわかったところで、
これらの作用が弱ると出てくる症状を見てみましょう。
脾の運化作用には二種類ありましたね。
一つ目の栄養分を全身に送る作用が弱まると、
栄養が行き渡らなくなるので、軟便、食欲不振、痩せなどが起こります。
二つ目の余分な水分を肺と腎に送って汗と尿で排出する作用が弱まると、
余分な水分が溜まるので、痰飲(体液の代謝異常による異常な水液)や
湿などの病理、水腫(むくみ)を生じます。
昇清作用が弱まると、気の流れが悪くなってしまい、
運化作用の働きも悪くなるため、
疲れやすい、眩暈、腹張、泄瀉、内臓下垂などが起こります。
脾の生理が一番複雑で難しい
五臓で唯一気血津液の全てと関わりがある脾は、
一番複雑で難しいです。
しかし、脾の生理さえ理解することが出来れば、残りは単純です。
現代人は食べすぎの傾向や、
自然界にない、人口的なものを食べる機会が多いこともあり、
脾の働きを弱めやすいです。
気血津液を作るところが弱ってしまっては、
いずれ栄養失調状態に陥ってしまいます。
今日の投稿を読んでくれたあなたは、
そういったことを意識した食事を心がけていただけると嬉しいです。
それではまた明日。
またね~
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