
四診法
みなさんこんにちは!おさきまるです。
今日は東洋医学のお勉強のお時間です。
今日は四診法についてお話ししたいと思います。
四診法とは、望診、聞診、問診、切診の4つの総称のことを言います。
望診は、患者を目で見て精神、意識状態、行動や動作を確認する診断方法です。
聞診は、声や咳などの音を聞くことや、
体臭や排泄物などの匂いを嗅ぐ診断方法です。
問診は、患者や付き添いの人に質問をし、
主訴や愁訴、病の経歴、その他の情報を得て病態を把握する診断方法です。
切診は、四肢や体幹の皮膚および浅い筋に現れた反応を観察したり、
実際に触れて確認する診察方法です。
我々鍼灸師はこの四診法によって、
証を決定し、ツボを決め、施術を行っています。
プロでなければ、四診法なんて知っても意味ないんじゃないか、
そんな風に思うかもしれませんが、そんなことはないんです。
誰だって身体が常に整っているなんてことはありませんので、
自分や家族が今どんな状態であるか、確認できるようになります。
確認できるようになることでどんなメリットがあるのか。
それは、不調を未然に防ぐことが出来るようになります!!
毎日確認することで、極端に体調を崩す手前の体の変化に気づくことが出来るんです。
少しコツ必要ですが、自分の身体のことですので損はありません。
四診法はそれぞれ説明がたくさんありますので、
今回は望診についてお話ししたいと思います。
望診
望診は、大まかな体質の診断や治療方針、
予後が良好かどうかを判断するために行います。
意識がない、あるいは朦朧としていたり、意味不明な言語を話す場合は、
予後が不良の場合が多いので、慎重に対処しなければなりません。
特に目は心の窓と言われるほどに、精神状態をよく反映します。
目に適度に輝きがあり生気がある場合は精神活動が正常で、
どんよりとして生気がない目(死んだ魚の目)は精神活動が低下しているとわかります。
目に輝きが多すぎる場合は熱があります。
どこを見ているかわからない場合は精神異常が疑えます。
体型は肉付きが良いか悪いか、筋肉質かブヨブヨかなどをみます。
色白で締まりのない太り方は陽虚の傾向が考えられ、
肌の色が黒く痩せている場合は陰虚が考えられます。
太っていても筋肉質な場合は陰実証や陰虚証などの傾向が考えられます。
これらはあくまで体質なので、これで証は決められませんので注意です。
動き方も大切です。
よく動き落ち着きがないのは陽証。
あまり動きたがらないのは陰証。
表情が明るい場合は症状が軽いか、回復傾向にあります。
表情が暗い、さえない、どんより、うつむき加減、目が合わない、
笑顔に違和感があるなどの場合は、症状が重い、悪化傾向にあります。
ぱっと見で感じる印象を大切にしましょう。
ジーッと見てしまうと感覚が鈍り、わからなくなっていきます。
顔面診
顔面診とは、顔面全体、五臓が司っている器官
(目は肝、鼻は肺、口は脾、耳は腎、舌は心)
の形態や色つやを観察することによって五臓の病状を確認することが出来ます。
目が大きければ肝が実になりやすい。
逆に目が小さければ肝が虚になりやすい体質であると読み取ることが出来ます。
目に何らかの異常があったり、赤くなっている時は、
肝に熱があるなども読みとれます。
色も判断材料にすることができます。
青は冷えや痛み、肝、
赤は熱、心、
黄色は湿、脾、
白は虚証、冷え、失血、肺、
黒は腎虚、冷え、瘀血、腎を意味します
肝の青は深い緑に近く、真っ青な場合は冷えや血虚が考えられます。
どの色もつやがあり明るい色の場合は正常ですが、
暗く濁ったような色の場合は病んでしまっています。
また、眉間が肺、鼻根が心、鼻中が肝、鼻尖が脾、鼻翼が胃。
目頭の下は小腸や肩、鼻翼と目じりと結んだ線上が大腸、
鼻翼と目じりを結んだ線上が腎、人中が膀胱や子宮、
おでこと髪の生え際の間は両首、その下と眉毛の間は喉咽。
舌診
舌も気血津液の状態や五臓の状態、病邪の状態、病の深さなどを見ることが出来ます。
舌は4つの区分に分けられます。
舌の両脇は肝胆、舌根は腎、舌尖は心肺、舌中は脾胃と配当されています。
舌そのものの舌質で五臓の精気の状態を、
舌苔で病邪の性質の深さや深さを確認します。
口全体に光が入るところで見ていきます。
舌を出すときは力を入れずに口の外へ出します。
舌質
舌質は形、色、動きをみます。
正常な色は淡紅舌です。
それよりも白っぽいものを淡白舌といい、寒証や血虚の時に現れます。
淡紅より赤が濃い色は紅舌といい、熱証のときに現れます。
瘀血がある時はくすんだ黒っぽくなったり、
紫の瘀班や舌下静脈の怒張も見られます。
舌の形態は気血津液の過不足により変化し、
正常であれば適度な厚みがあり、潤いと柔らかさがあります。
気血津液が不足すると乾燥して舌の表面がひび割れたり、
瘦せ細り硬くなります。
熱があると赤い刺のような芒刺(ぼうし)が見られることもあります。
気不足や停滞によって津液が停滞すると、
舌体が大きく膨らむ胖大舌となり、舌辺に歯形がつくこともあります。
この胖大舌は脾虚や気虚の時によく現れます。
舌の動きも気血津液の過不足によって変化します。
気血が不足していると舌体が小刻みに震えて止まらなかったり、
スムーズに動かしづらくなります。
舌に関係がある心や脾に熱が多くあると、
舌を口外に出すと左右どちらかに曲がってしまう歪斜が現れます。
舌苔
舌苔の厚み、色、性状を見ます。
正常な舌苔は薄白苔です。
苔がうすい場合は、病状が軽いあるいは進行が浅いと判断でき、
苔が厚い時は、病状が重いか進行していると判断できます。
白色の時は寒証や病邪が表にある場合です。
熱証や病邪が臓腑にある場合は黄苔が現れます。
灰色は黒色の場合は、乾湿を観察して熱証か寒証かを判断します。
苔の性状には顆粒が細かく緻密でねっとりとしている賦苔は、
津液が停滞し痰飲が出来ている時によく現れます。
また顆粒が大きくおからが舌面に積もったような腐苔は、
脾胃が失調し運化作用が低下して飲食物を消化できずに停滞している時や、
痰飲がある時に現れます。
胃の気が衰えると苔が全部剥がれ、
舌面が鏡のように滑らかになる光剥舌や、
苔が一部分だけはがれる花剥舌が現れます。
花剝舌の場合、剝がれた場所の臓腑に異常があります。
苔が浮いているように見え、
実際にひっかいてみて簡単に剥がれる場合を無根苔といい、
胃の気の衰えを現しています。
はがれにくいものを有根苔といい、胃の気がしっかりとしています。
望診は人間観察
望診が得意な人は、人間観察が得意な人です。
あーでもない、こーでもない考え悩むのではなく、
パッと見た時の印象が望診ではとても大切です。
まずは自分自身のことをよく観察してみましょう。
毎日鏡の前で顔をみたり、舌を見てみることで、
最初はなんとなくで見ていても、だんだん変化が出てくるので、
異変に気付きやすくなります。
是非、やってみてください!!
それでは今日はこの辺で。
またね~
コメント