
聞診
みなさんこんにちは!おさきまるです。
今日は東洋医学のお勉強のお時間です。
先日の四診法の続きです。
今日は聞診、問診についてお話ししたいと思います。
聞診とは、声や咳などの音声を聞くこと、
体臭や排泄物などの臭いを嗅ぐ診察法のことを言います。
①音声
音声は、会った時の挨拶や話している時の声を聴いて判断できます。
正常な音声はかすれや濁りがなく、
声の大きさは大き過ぎず小さ過ぎずはっきりとした発声です。
声が小さく力がない話し方の場合は、気不足、宗気の異常、
声が大きい場合は、実証、あるいは耳の異常が考えられます。
症状が軽い、また回復傾向にある時は、
声が高く力強くはっきりと発生して明るい印象を受けます。
症状が重い、また悪化傾向にある時は、
声に力がなく低くこもった感じで暗い印象を受けます。
咳やしゃっくり、げっぷ、などの異常音声、
呼吸音も判断の材料になります。
呼吸は肺腎と関わりがあり、肺は呼気、腎は吸気を司っています。
咳はこれらの臓に異常があり、肺気が上逆することにより起こります。
また肺と腎の他に胸中にある宗気は呼吸の原動力であり、
気虚などによって働きが低下すると、
呼吸微弱などの呼吸以上や発声異常が現れます。
しゃっくりとげっぷは胃気が上逆することによって現れます。
食後、酸腐の匂いを伴って現れるげっぷは、
胃腸内に食物が停滞している宿食や消化不良で起こります。
大抵のしゃっくりは特に問題はありませんが、
衰弱している時に現れるなかなか止まらないしゃっくりは、
脾胃の働きが極度に衰弱して起こるもので、危険な場合があります。
②臭い
臭いは体臭や排泄物の臭いを嗅いで判断します。
一般的に臭いが強い場合は熱があり、
冷えている場合はあまり臭いがしないか生臭い臭いがします。
口から酸臭がするものは胃に宿食があり、
腐臭がするものは歯槽膿漏が多くあります。
問診
問診は、患者や付添人に質問をし、
主訴や愁訴、病の経歴、その他の情報を得て把握していく診察法です。
現代医学的な主訴、既往歴、家族歴を聞いていくのはもちろん、
東洋医学的な事項も聞き、誤りを犯さないために全体的に、
かつ証につながるように絞り込んで質問をしていきます。
①現代医学的な問診
・主訴 患者が最もつらいと主張する症状
・現病歴 発病時期、病の経過、医療機関の受診有無、病名、治療
・既往歴 今までにかかった大きな病気、手術
・家族歴 内親の死亡原因など
・その他の愁訴 主訴以外の症状
②寒熱 どのように悪寒と発熱が起こるか
③汗 汗をかくか、時間帯や量、出る部位、汗が止まらない、寝ている間だけなど
④痛み 痛みの起こる部位、時間帯、痛み方
⑤睡眠 睡眠がとれているか、いつ眠くなるか、睡眠の質
⑥飲食 食欲の有無、口喝の有無、摂取量、嗜好など
⑦二便 回数、量、性状
⑧月経、帯下 月経周期、日数、量、色、血塊の有無など
これらを質問して、判断し、証を決めて行きます。
聞診と問診の使い方
治療家は、四診法によってどの証にするか、
どのツボを使うのかを決定することが出来ます。
一般的な方々が、どのように今日紹介した聞診と問診を使うのかを紹介します。
まずは聞診から。
聞診は聞いたり、臭いを嗅いだりすることで判断しますが、
自分自身や家族の声や臭いを意識して生活してみることで、
普段と違う調子の時が分かるようになります。
特に幼少期のお子さんがいる場合は、とても役に立ちます。
幼い子どもは、自分の体調を言葉にして伝えることが難しいですよね。
そんな時に普段の声や話し方、そして臭いを意識しておくことで、
不調が起きている時にちょっとした変化に気づくことが出来るようになります。
次は問診。
問診は治療家でない限り使うことは少ないですが、
自分自身の普段の調子を知っておくのに役に立ちます。
これらの質問を自分自身で答えていくことで、
自分がどのようなタイプの人間なのかをある程度把握することが出来ます。
上半身に熱が多いタイプなのか、冷えが強いタイプなのか。
簡単にでも知っておくことが大切です。
四診法も自分自身を見つめる一つの手段になりますので、
是非活用してみてくださいね。
それでは今日はこの辺で。
またね~
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